「ホームシアター鑑賞文」(34)(堺市夢見頃)
プロジェクターで部屋の壁に大画面ビデオ
「私は貝になりたい」 1959年 東宝
製作 藤本真澄・三輪礼二 原作、脚本、監督 橋本忍
出演: フランキー堺/新珠三千代/水野久美/笠智衆/中丸忠雄/藤田進/加藤武/南原伸二

 清水豊松は高知で妻と幼い子供とで理髪店を開き貧しいながらも細々と明るく暮らしている。時は太平洋戦争末期・・とうとう豊松の所に召集令状が届く。そして軍隊に入隊し、そしてそこで上官矢野の命令でアメリカ兵の捕虜を殺してしまうのだった。戦争が終わり軍事裁判が行われる中、豊松も戦犯として逮捕され捕虜殺害の罪で絞首刑を宣告されるのだった。マッカーサーが日本を去り、刑の執行責任者が代わり豊松は本当に処刑される事になったのであった。教誨師から生まれ変わったら何になりたいかと問われて、処刑を目前に遺書に「ふさえ、賢一さようなら お父さんは二時間ほどしたら遠い遠いとこへ行ってしまいます、もう一度逢いたい、もういちど暮らしたい・・、お父さんは生まれ変わっても人間にはなりたくありません、人間なんていやだ。、もし生まれ変わっても牛か馬の方いい、いや牛や馬ならまた人間にひどい目に逢わされる。どうしても生まれ変わらなければならないのなら、いっそ深い海の底の貝にでも・・、そうだ貝がいい、貝だったら深い海の底でへばりついていればいいからなんの心配もありません、深い海の底だったら戦争もない、兵隊に取られることも無い。ふさえや賢一のこと事を心配することもない、どうしても生まれ変わらなければならないなら、私は貝になりたい・・」と書き残した
 戦争が個人の幸福をいかに残酷に略奪するのか、この映画は問いかけており、いつ自分にも降りかかってくるかも知れない恐怖が襲って来ました、フランキー堺さんは1996年9月10日深夜、肝不全のため死去。最後の出演作品は「瀬戸内ムーンライトセレナーデ」となりました。
(2002年10月吉日)
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